観音浄土 普陀山(ふださん)
普陀南海観音像
中国上海の南東に位置し浙江省舟山群島の波間に浮かぶ12.5平方キロメートルの細長い小島があります。中国には仏教の聖地と呼ばれる所が四箇所あり、そのひとつが普陀山で観音信仰の原点でもあります。かつて日本は大陸の文化を取り入れるべく唐の時代には日本から使者を送り宗教・医学・建築・土木など多方面にわたって交流が盛んでした。西暦858年、に日本の僧侶「恵鍔(えがく)」は中国から日本に観音像を伝えようと寧波から船出した。ところがこの島に差し掛かったとき、船が突然動かなくなり霊感を得てこの島に観音像を祀ったのが縁となって寺院200、僧侶3000人が居住する中国四大聖地へと発展していきました。奇しくも中国仏教の聖地が一人の日本人の僧侶によって開かれたことに、大きな功績と意外さ、奇縁を感じずにはいられません。
1990年、中国観音霊場会は普陀山仏教協会と、交流を始め、翌年には友好関係を結び日中合同法会厳修するにいたりました。また普陀山より「不肯去観音像」と「恵鍔大師像」の複製尊像二体を贈られ現在、中国観音霊場37ヶ寺にて持ち回り安置されることとなりました。以来、普陀山へは毎年訪中参拝団を派遣し友好交流を深めています。このたび交流10周年を記念して普陀山にある33メートルある南海観音の10分の1の大きさの南海観音像の贈呈を受け、第一番札所の当山にお祀りされることになり、平成15年5月11日、中国観音霊場全寺院住職と普陀山仏教協会代表団が出仕して、日中合同の大開眼法要が厳修されました。(平成15年5月11日に開眼法要)。
観音浄土 普陀山普陀山への道程
日本より空路で上海までおよそ2時間、上海からバス、高速艇を乗り継いで約3時間。気がつけばそこはもう観音浄土。科学・物質文明から切り離された世界がそこにあります。「南海に浄土あり観音普陀洛浄土なり」かつてこの浄土を求め、命を掛けて小船に身を任せ旅立っていった。その多くは海の藻屑と消えた…
1130有余年を経た今では僅かな時間で普陀山に参拝できます。この島には普済禅寺を中心に3つの大きな寺と88の庵堂を抱え、僧侶だけでも約1000人が修行してます。まさしく聖地と呼ぶのにふさわしい風格と歴史。また数多くの伝説を持った名所旧跡も多数あり、歴史の深さ、とりわけ中国全土はもとより東南アジア全域仏教徒の深い信仰を体感できること、信じて止みません。中国観音霊場会では、毎年友好参拝団を派遣しています。
普陀山は政治と経済の変遷の中、大いに疲弊していましたが、この20年は猛烈な勢いで復興を遂げており、その象徴が南海観音です。南海観音は高さ33メートルの金銅仏で、慈悲深い尊顔で参拝の信者を迎えています。
中国仏教、文化、情景を貴方も体感してみませんか?或いは、観音霊場巡拝の結願として参拝されることをお勧めします。またご希望により普陀山へ写経奉納も承っています。